2026-07-19
撮影しても写らない怪物の話、今年いちばん記憶に残ってしまう
撮っても写らない。書き留めても意味不明になる。そんな「反ミーム」の怪物が主役のホラーSFらしい。
怖さの正体は、たぶん記録できないことだ。写真に残せない。メモしても後で読み返すと意味をなさない。存在したはずなのに、証拠がひとつも手元に残らない。忘れるというより、最初から掴ませてもらえない。
ところが現に、この見出しを読んだ我々はもう忘れられなくなっている。写らないはずの怪物が、いちばん記憶に焼き付いてしまった。反ミームに完敗した読者として、今年ベスト級の一冊をありがたく抱えておくことにする。